今回は普段と趣旨を大きく変え、生放送用にどのようなマイクやヘッドセットが適するか、個人的なオススメを書いていこうと思います。
そもそもなぜマイクが必要か、ここから考えることが重要です。
「リスナーさんと話す」のか、「ボイスチャットでパーティと会話する」のか、はたまた「生歌配信をする」のか。それぞれの目的に適したマイクを選ぶことで、配信環境をより快適なものにできるでしょう。

リスナーさんと話す
とりあえずまったりとおしゃべりをしたい場合は、下記のようなマイクが手頃でオススメ。
ヘッドセットタイプであれば、常にマイクが口元にあるためマイクと顔の向き・位置を考えずに済みます。端子に接続して適宜デバイスを設定すればすぐに使える手軽さも便利。 ただし、ヘッドセット用の接続端子が必要になります。端子が通常のヘッドホン端子、マイク端子を一つにまとめた構造となっているため、持っているPCにヘッドセット用の端子が付いているか確認しましょう。

こちらはUSBに接続するだけですぐに使えるマイクです。何より嬉しいのが、マイクの周囲に配置されたボタンで音量調節やミュートもできる点。配信中に音が大き過ぎる・小さ過ぎるというコメントがあった時にすぐ対応しやすいのは、PC初心者にも優しい仕様ですね。 ただし、指向性(音を拾う向き)があるため、喋るときは必ずマイクの正面に声を当てるよう意識してください。


ボイスチャットでパーティと会話する
この場合はヘッドセットが必須と言っても過言ではないでしょう。 最近はやりのFortnite、PUBGやOverwatchなどのFPSでは、ただ話すだけではなくどこからどんな音が聞こえるか、という聴覚的な性能もゲームを有利にプレイするうえで重要になります。 ゲーミング用に特化した様々なヘッドセットが出ていて悩むかと思いますが、いくつかご紹介しましょう。

手頃な価格なので、初めて本格的なヘッドセットを試したいという方にオススメ。また、ヘッドセット用端子を通常のマイク・ヘッドホン端子に分岐するYケーブルが付属しているため、ほぼすべてのPCで使用できるはず。見た目もクールなので配信映えするでしょう。

あのDeToNator所属StylishNoobさんもオススメする高コスパヘッドセット。マイクを口元から上に動かすことでミュートできたり、ヘッドホン右側で音量調節できたりと、プレイを邪魔しない直感的な操作が素晴らしいですね。 ちなみにこちらがStylishNoobさんの紹介動画です。

こちらもStylishNoobさんオススメのヘッドセット。上で紹介した2点と大きく異なるのが、USB接続であるという点。ヘッドセット端子などに接続した際よりもノイズが乗りにくく、よりクリアな音でプレイできるのは、FPSプレイヤーにとってはありがたい仕様ですね。また、カラーも5種類から選べるので、プレゼントにもいいかも?

生歌配信をする
通常の会話と違い、歌はより繊細な息遣いなども再現できる方がよい場合があります。
また、ボーカル用マイクはPCに接続する前にミキサーが必要となることが多いのも事実。

まずは、ミキサー不要のUSB接続タイプからおすすめをピックアップ。

スタンドやケーブルも付属しているため、他に機材を準備しなくてもよいのがオススメ。また、ブラックのボディに赤いヘッドがとてもかっこいい!音質は幅広いジャンルに使いやすいのではないでしょうか。

次に紹介するのは定番のボーカル用マイク。

多くのプロも愛用する標準的なマイク。本格的に歌手を目指す方の1本目としてもオススメです。ダイナミックマイクであるため、コンデンサマイクに比べて丈夫であるため普段使いにも便利です。
RODEといえばもっとも有名なコンデンサマイクメーカーのひとつ。音質の高さは間違いなし!配信だけでなく録音にも使える素晴らしい1本です。ただし、コンデンサマイクの特性上湿度や衝撃に弱いので、大切に保管してあげてくださいね。

なお、上記の2点については、PCと接続する際には下記のようなミキサーやケーブル、卓上マイクスタンドが必要になります。
エレキギターなどを繋ぎたい場合は、チャンネル数の多いミキサーがあると便利。接続が簡単なUSBタイプを選びましょう。
角度が自由に調節できるため、マイクの位置に困りません。また、ダイナミックマイクにもコンデンサマイクにも使えて便利。ちょっと長いですが、5.0mのXLR-XLRマイクケーブルが付属するのも嬉しいですね。

マイクの種類と選び方
いくつかマイク・ヘッドセットを紹介してきましたが、特にマイクの選び方について勘違いされがちなポイントについて説明します。
  1. ダイナミックマイクよりコンデンサマイクの方が音はいいんでしょ?
    用途によっては、コンデンサマイクの「感度の良さ」が使いにくくなるかもしれません。確かにコンデンサマイクは感度が高く、繊細な音までも収音できます。逆に言えば、近くに置いた扇風機やPCのファンノイズまで拾う可能性がある、ということ。その点、ダイナミックマイクは、人間が話す・歌う声をよく拾いやすい特性に設計されているため、不要な環境音が乗りにくく、むしろ言葉をはっきりと伝えることに適しているのです。
  2. 指向性は鋭い方がノイズがいいんでしょ?
    指向性とは、マイクがどの方向からの音をよく拾うかを示すものです。無指向性のマイクは360度全ての方向からの音を収録するのに対し、単一指向性の場合はマイクの一定方向からの音のみをよく拾うよう設計されています。
    カラオケで使われるマイクは単一指向性のものが多く、これによりスピーカーからの音が再びマイクに入り込むハウリングを抑制してくれます。口元以外の音を軽減してくれるんですね。
    ところが、超単一指向性など指向性の鋭いものを使う場合、マイクと口の向きがシビアになってくるため、ちょっとでもマイクや顔の向きがずれると急に音が小さくなる、といった問題が発生することも。そういった意味でも、マイクが常に口元にあるヘッドセットは使いやすいのです。

  3. 安物のマイクってすぐノイズが乗るんでしょ?コンデンサマイクなら高いし安心!
    初心者はコンデンサマイクを使わないほうがいいです。ダイナミックマイクは非常にシンプルな構造のためそもそもノイズが出にくいので、喋るだけなら安物でもいいです。ちょっと音質が気になるかもしれませんが。
    対してコンデンサマイクはちょっとしたことでノイズが乗りやすい精密機材です。USB接続型(エレクトリックコンデンサ型)であれば気にすることはないかもしれませんが、ファンタム電源が必要なタイプの場合、ファンタム電源が正しく供給されているか、正しいケーブルを使っているか、などなど結構神経を使う部分が多くなります。マイク自身も故障しやすいので、慎重な取り扱いが求められます。
長くなりましたが、使用シーンに適した機材選びで、みなさんがよりよい配信ができることを願っています。